日本臨床外科学会雑誌
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症例
椎体破壊を伴う後腹膜神経鞘腫(20cm)の1例
佐治 攻民上 真也丹波 和也松下 恒久榎本 武治大坪 毅人
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2016 年 77 巻 8 号 p. 2084-2089

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抄録
後腹膜腫瘍はしばしば遭遇するが,椎体破壊を伴うほどの巨大腫瘍は比較的稀である.今回4科合同手術により一期的切除しえた症例を経験した.60歳台,女性.腹痛,嘔吐で救急搬送され急性膵炎と診断されたが,CTで後腹膜巨大腫瘍が発見された.膵炎軽快後に後腹膜腫瘍摘出術を行った.術前日に栄養血管を塞栓し,術当日は右尿管ステント留置後に手術を開始した.背臥位から椎体内に浸潤した腫瘍を剥離.仰臥位にて下大静脈からの穿通枝を結紮しつつ,腰椎前縦靱帯を切開し,腫瘍を被膜損傷することなく摘出した.検体は20cm強の砂時計型腫瘍で,重さ1,756g.紡錘形細胞無秩序増殖像,S-100蛋白陽性,MIB-1 index 1%未満から良性神経鞘腫と診断された.術後3年経過したが麻痺等なく無再発生存中である.椎体破壊を伴う巨大schwannomaは稀であるが,一期的治癒切除しえたので文献的考察とともに報告する.
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© 2016 日本臨床外科学会
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