応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
研究紹介
バックワード・テラヘルツ波パラメトリック発振におけるカスケード波長変換
縄田 耕二瀧田 佑馬野竹 孝志南出 泰亜
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2022 年 91 巻 1 号 p. 32-36

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抄録

テラヘルツ電磁波の特長である高い透過性と良好な空間分解能は非破壊センシングに有効であり,製品検査やセキュリティ応用の分野で多くの提案がこれまでされてきた.実用化に向けた研究開発が進められている一方で,利用シーンをより一層広げるには,例えば人の立ち入りが困難な場所でも計測できるユビキタスなテラヘルツ波光源が求められる.そのためには実験室外で利用できる可搬型かつ高出力なテラヘルツ波光源が必要である.非線形光学波長変換によるバックワード・テラヘルツ波パラメトリック発振(BW-TPO)は周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN)結晶に近赤外パルスレーザー光を入射するだけでテラヘルツ波発振し,共振器構造をもたない機械的に堅牢(けんろう)な光源である.研究の進展によってテラヘルツ波出力が向上し,最近ではジャイロトロン級の尖頭出力が得られるようになってきた.本稿では,テラヘルツ波利用を加速させるユビキタスなテラヘルツ波光源を目指したBW-TPOの基本原理とカスケード波長変換について紹介する.

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© 2022 公益社団法人応用物理学会
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