抄録
症例は47歳,女性.S状結腸癌および肝両葉に最大径9cmまでの転移を30個以上認め,切除不能と考えられた.FOLFOX + cetuximabを7コース施行したところ肝転移巣の著明な縮小を認めたものの,化学療法に伴う肝障害の出現と予定残肝容積が29.6%と過少であることから,一期的切除は困難と考えられた.マージナルな切除の可能性がかろうじて得られた状況において門脈塞栓術を行い一定期間無治療で待機することのリスクを考え,本症例は二期的肝切除(ALPPS)を選択した.初回手術にて腹腔鏡下S状結腸切除術,S2・S4部分切除術,右門脈結紮,in situ splittingを施行.15PODに拡大右肝切除術を施行した.術後は特に合併症を認めなかった.術前に転移を否定できない肺結節が認められていたため5-FU/LV + bevacizumabにて化学療法を継続しているが,術後1年時点で無再発生存中である.