抄録
患者は50歳,男性.48歳時に胃GISTに対して腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を施行した.病理組織所見でリンパ節転移を認めFletcher分類高リスクと診断し,術後にイマチニブを投与した.術後1年半のCTで残胃近傍に2cm大の充実性腫瘍を認め,GIST再発を疑い手術を施行した.腫瘍は胃壁と連続しており残胃部分切除術を施行した.摘出検体は弾性硬,割面は白色充実性で,病理組織学的には中心に太い膠原線維の増生とその周囲に紡錘形細胞の増生を認め,一部辺縁不整であった.c-kit,CD34,DOG-1はいずれも陰性であった.さらに免疫組織染色を追加したところ,核内β-cateninが陽性で腸間膜線維腫症と診断した.胃GISTと腸間膜線維腫症の合併例の報告はこれまでになく,本症例は本邦での論文報告初例と考えられる.今回,われわれが経験した胃GIST術後イマチニブ投与中に発生した腸間膜線維腫症の1例を報告する.