日本臨床外科学会雑誌
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症例
CMV腸炎を合併した閉塞性直腸癌の1例
福田 雄三諸藤 教彰清水 一起菊一 雅弘
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2017 年 78 巻 3 号 p. 558-563

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抄録

腸閉塞を契機に発見される直腸癌はしばしば見られる.今回,経肛門腸管減圧後に根治切除を行った閉塞性直腸癌にサイトメガロウイルス(以下CMV)腸炎が合併していた1例を経験したため報告する.症例は68歳の男性で,便秘・腹部膨満を主訴に受診,直腸癌による腸閉塞の診断となった.経肛門的に2週間の減圧後,直腸前方切除(D3郭清)による根治術を施行した.十分な腸管減圧により安全な手術が可能であった.摘出標本では,腫瘍口側に広範な直腸潰瘍を認め,同部位の病理結果でCMV腸炎の合併を認めた.術後黒色便のため施行した上部消化管内視鏡検査で,逆流性食道炎,多発十二指腸潰瘍を認めたが,こちらの生検ではCMV感染は確認できなかった.PPI投与のみで症状・所見ともに改善し,退院となった.大腸・直腸癌にCMV腸炎が合併した症例は極めて稀であり報告する.

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