日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
穿孔部が自然閉鎖した鶏骨による小腸穿孔の1例
簑原 沙和池永 直樹許斐 裕之大城戸 政行一宮 仁
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 78 巻 5 号 p. 1004-1007

詳細
抄録
消化管異物の多くは自然排泄されるが,時に穿孔をきたし外科的治療が必要となる.今回われわれは,腹腔鏡手術が有用だった鶏骨による小腸穿孔,汎発性腹膜炎の1例を経験した.症例は50歳の女性.前日に手羽先を食べ,腹痛が出現した.CTで小腸を貫く線状高吸収物を認め,鶏骨による穿孔性腹膜炎と診断し緊急手術を行った.腹腔鏡で観察すると腹腔内は広範に腸液で汚染されており,汎発性腹膜炎の所見であった.回腸に膿苔の付着と回腸同士の癒着を認め鶏骨による穿孔部と思われたが,穿孔部は既に自然閉鎖していた.4cmの小開腹をおき回腸を体外に挙上し鶏骨を探索すると,穿孔部より肛門側50cmの位置に鶏骨を認めた.同部から鶏骨を用手的に直接摘出し,摘出孔をZ縫合で閉鎖した.骨片による小腸穿孔,腹膜炎は腸切除せずに治癒しうる症例もあり,腹腔鏡手術は低侵襲で効果的な治療法である.
著者関連情報
© 2017 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top