日本臨床外科学会雑誌
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症例
動脈管開存症治療後に生体部分肝移植を施行した乳児胆道閉鎖症の1例
上野 義智藤山 泰二渡邊 常太井上 仁高井 昭洋高田 泰次
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2018 年 79 巻 3 号 p. 572-577

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抄録
症例は8カ月の女児.生後43日目に胆道閉鎖症に対して葛西手術が行われた.術後肝障害の進行に伴う腹水,消化管出血,精神身体発育の遅延を認め,生後7カ月で生体部分肝移植術の適応と判断した.術前の心エコー検査で動脈管開存症が発見されたが,肝移植後の左心系の容量負荷や免疫抑制剤の使用に伴う感染性心内膜炎を考慮し,まず動脈管開存症に対してinterventional radiology下に閉鎖術を行う方針とした.体重は5,100gと低体重であったがコイル挿入に伴う問題もなく,その後3週間目に父親をドナーとしてhyper-reduced left lateral segment graftを用いて生体肝移植術を施行した.術後感染症の発症もなく移植後33日目に退院した.動脈管開存症を合併した乳児に対する肝移植の報告は稀で,肝移植前の治療方針にコンセンサスはなく貴重な症例と思われたことより報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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