抄録
二次性大動脈十二指腸瘻は感染と大出血を伴う致死的病態であるが,EVAR術後の二次性大動脈十二指腸瘻はまれである.症例は76歳の女性.腹部大動脈瘤に対してEVARを施行した.術後エンドリークが残存していた.術後10カ月で椎間板炎および腸腰筋膿瘍を発症し抗菌薬治療にて軽快した.術後1年で吐血・タール便にて受診し上部消化管内視鏡およびCTで大動脈十二指腸瘻と診断した.十二指腸水平部と屈曲したステントグラフトに圧迫された瘤壁が瘻孔を形成していた.屈曲したステントグラフトを部分置換した.十二指腸欠損孔が大きく,空腸を挙上し側々吻合を行い,十二指腸空腸バイパスによって腸管再建した.瘻孔・感染の再発なく経過良好である.先行感染,ステントグラフトによる圧迫およびエンドリークが誘因と考えられたEVAR術後の二次性大動脈十二指腸瘻に対して,解剖学的血行再建および十二指腸空腸バイパスによる腸管再建は有用であった.