抄録
症例は29歳の女性で,腹痛を主訴に当院を受診した.小腸腫瘍を先進部とする腸重積と診断し,緊急で腹腔鏡下小腸部分切除術を施行した.病理所見でPeutz-Jeghers型の過誤腫ポリープを認め,Peutz-Jeghers症候群と診断した.術後50日目に腹痛を主訴に当院を再受診した.腹部CTにて腸重積再発と診断し,緊急で腹腔鏡下に手術を行った.重積を整復し上部空腸を観察すると,重積先進部は初回手術の端々吻合部であり,近傍小腸に腫瘍を認めなかったので,吻合部を先進部とした腸重積と診断した.虚血や壊死を認めなかったため吻合部の切除は行わず,重積の再発予防のため吻合部周囲を左腹壁に固定し,手術を終了した.術後に行った小腸ダブルバルーン内視鏡検査では,上部空腸にポリープを認めなかった.術後経過は良好で,術後4年の現在,腸重積の再発やイレウスの発症を認めていない.