日本臨床外科学会雑誌
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症例
集学的治療にて8年以上生存しているHER2陽性乳癌脳転移の2例
安野 佳奈吉留 克英下 登志朗鳥 正幸辻本 正彦
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2019 年 80 巻 4 号 p. 689-693

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抄録

HER2陽性乳癌脳転移症例に対して集学的治療により長期生存を得られた2例を経験した.症例1は59歳の女性,右乳房腫瘤を主訴に受診しHER2陽性乳癌多発骨転移の診断で薬物療法や放射線治療を行い,2年後に多発脳転移を認めた.転移性脳腫瘍に対して手術後,γナイフ治療や薬物療法を施行し初診時から10年の生存を得ている.症例2は69歳の女性,体幹失調を自覚され受診しHER2陽性乳癌脳転移の診断.転移性脳腫瘍に対して手術後,γナイフ治療や薬物療法を施行し病勢安定のため無治療で8年間経過観察し新規再発を認めていない.初診時より13年の生存を得ている.HER2陽性乳癌脳転移症例の予後は極めて不良であり,治療に難渋することが多い.脳転移後の治療目的は症状コントロールやQOL改善が目標となることが多いが,集学的治療により長期生存が得られることがある.

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© 2019 日本臨床外科学会
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