日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
下腸間膜静脈腫瘍栓を合併した下行結腸癌の1例
塚原 哲夫林 英司河原 健夫青山 広希服部 行紀澤崎 直規
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 80 巻 4 号 p. 760-765

詳細
抄録

症例は64歳,女性.腹痛で前医を受診し,腹部CTで下行結腸腫瘍による腸閉塞と診断され,当院へ紹介となった.下部消化管内視鏡検査で下行結腸に全周性狭窄を伴う病変を認め,金属ステントを留置した.造影CTでは下腸間膜静脈(IMV)腫瘍栓と大動脈周囲リンパ節の腫大を認めた.以上より,IMV合併切除を伴う左結腸切除術を施行した.手術所見ではIMV周囲は索状に硬化し,口側腸管には著明な壁肥厚を認めた.病理組織学的所見ではIMV内の腫瘍栓は原発巣と同様の中分化腺癌を認めた.術後化学療法として,mFOLFOX6を22コース施行したところで大動脈周囲リンパ節は不明瞭となり,44コース施行後,中止した.手術から52カ月が経過した現在,再燃なく生存中である.IMVに腫瘍栓を伴った大腸癌はまれであり,手術時には腫瘍栓を遺残,遊離させないように注意しながら,完全切除することが重要である.

著者関連情報
© 2019 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top