2019 年 80 巻 7 号 p. 1330-1334
症例は14歳,女児.1週間前より持続する腹痛の増悪を自覚し近医を受診し,血液検査にて高度の炎症反応を認めたため当院へ紹介となった.精査の結果,骨盤内・腹腔内膿瘍を伴った複雑性虫垂炎と診断し,保存的加療後の待機的虫垂切除術の方針とし治療を開始した.加療開始後4日目において炎症反応の改善は乏しく,発熱・腹部症状が持続することから再びCT検査を行った.虫垂の炎症所見や膿瘍のサイズに変わりなく,保存的加療にて改善は期待できないと判断し,虫垂切除および膿瘍摘出術を行った.病理組織検査にて進行虫垂癌の診断に至った.追加切除,術後補助化学療法を施行し無再発生存中である.小児複雑性虫垂炎に対して待機的手術を計画する際にも悪性疾患の存在を念頭に置く必要がある.