2019 年 80 巻 8 号 p. 1492-1496
症例は72歳,男性.3週間前から体動時の腹痛を自覚していた.腹部に移動性のある約8cm大の腫瘤を認めたため,精査目的に当院に紹介された.腹部CTでは腫瘤は胃壁に接しており,壁外発育型の胃GISTが疑われた.その数日後,吐血をきたしたため腫瘤破裂と考え,緊急手術を行った.手術所見としては胃幽門部大彎から連続する表面平滑な腫瘤を認め,術中内視鏡検査では胃角部後壁に2型病変を認めた.壁外発育型GISTと胃癌の合併と考え,幽門側胃切除術(D2)を行い,術後経過は良好であったが,病理検査で胃癌およびそのリンパ節転移と判明した.最終診断は幽門部胃癌pT2(MP)N1M0 Stage II Aで,単発のリンパ節転移であった.現在,1年8カ月無再発生存中である.胃癌が単発で巨大なリンパ節転移巣を形成することは比較的稀で,経験例と併せて若干の文献的考察を加え報告する.