2019 年 80 巻 8 号 p. 1497-1500
症例は70歳,男性.改善しない下腹部痛を主訴に当院外来を受診.膀胱癌に対し46歳時に左腎尿管全摘術,54歳時に膀胱全摘術・回腸を使用した人工膀胱作成術を施行された既往があり,回腸は機能的端々吻合で再建されていた.腹部CTでは,回腸切除後再建部が嚢状に拡張し内容物が停滞している所見が認められblind loop syndromeと診断,腹部症状の改善がないため入院3日目に手術を施行した.腹腔鏡所見でも右下腹部に嚢状に異常拡張した腸管を認めた.拡張腸管を部分切除し端々層々吻合による再建を行った.以降は再発なく経過している.Blind loop syndromeは機能的端々吻合部に発生することは稀とされているが,機能的端々吻合後の合併症として留意すべきであり,腹部症状を伴う場合は手術加療が必要であると考えられた.