2021 年 82 巻 1 号 p. 115-119
症例は54歳,女性.HTLV-1感染があり,進行する脊髄麻痺と排尿障害が出現し,32歳時にHTLV-1関連脊髄症と診断された.2019年頃より高度便秘で当院に入院し治療を受けていた.2020年1月に便秘治療のため入院したが,5月にも腹部腹満と排便困難で当院を紹介受診した.内科的治療が行われたが,入院中にも排便排ガス困難による大腸ガス貯留による腹満が再発したために,外科的治療目的に紹介となった.HTLV-1関連脊髄症による続発性巨大結腸症と診断し,結腸全摘術+回腸廔造設術を施行した.術後経過は良好で,下剤や止痢剤など使用せずに排便コントロールが可能となった.術前は食事を摂取することによる便秘を気にして食事摂取量が少量であったが,食事に対する意欲も改善し食事摂取量が4割増加した.HTLV-1関連脊髄症による慢性便秘に伴う続発性慢性巨大結腸症に対する外科的治療が,患者QOLを改善した.同疾患の便秘治療において外科的治療が選択肢の一つになりえると考えられる.