日本臨床外科学会雑誌
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症例
骨盤内嚢胞様の臨床像を呈した単形性上皮向性腸管T細胞リンパ腫の1例
吉本 恵理金澤 伸郎渡部 和玄三井 秀雄吉田 孝司黒岩 厚二郎
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2021 年 82 巻 1 号 p. 85-92

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抄録

症例は82歳,女性.主訴は腹痛.前医において腹痛の原因検索目的で腹部造影CTを施行し,骨盤内に限局した嚢胞様腫瘤が指摘された.消化管穿孔による腹腔内膿瘍を疑い,加療目的に当院へ転院搬送され,手術を施行した.手術所見では,消化管穿孔による骨盤内膿瘍形成ではなく,拡張した小腸が巨大な嚢胞様腫瘤を形成していることが確認された.腫瘤は骨盤底に強固に癒着していたため可及的に小腸部分切除術を施行した.術後検体の免疫染色では,CD3(+),CD4(-),CD5(-),CD7(+),CD8(+), CD20(-),CD56(-),EBER in situ hybridization(-).また,小~中型の異型リンパ球様細胞が壁全層性に認められ,粘膜では上皮向性で比較的単調に増殖・浸潤を示唆する像がみられることから,MEITL(monomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma)と診断した.

術後13日目に退院となり,退院後は化学療法が施行されたが,術後10カ月目に化学療法PDと評価され,best supportive careの方針となり,術後12カ月で原病死した.

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