2021 年 82 巻 3 号 p. 503-506
症例は88歳,女性.右乳房D領域の痛みとしこりを自覚し来院した.精査の結果,浸潤癌と診断し,乳房温存手術を行った.最終的な病理組織診断で,cancer cellは甲状腺濾胞に類似した小濾胞構造をとるmicrocystic patternが主体で,分泌物を貯留する管腔様構造をなすtubular patternもみられ分泌癌と診断された.分泌癌は,当初若年性乳癌として報告されたが,現在は高齢者の報告例も散見される.組織型に準じた治療法は確立していないが,比較的予後良好とされ,自験例では通常の乳癌診療に準じて治療を行った.