日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下肝切除術で診断した肝多発性壊死性結節の1例
坂本 明優渡邊 常太大谷 広美河崎 秀樹佐川 庸前田 智治
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2021 年 82 巻 3 号 p. 616-622

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抄録

肝孤立性壊死性結節はまれな肝内占居性病変であり,多発する可能性がある.今回,腹腔鏡下肝切除術を行い,肝多発性壊死性結節と診断した1例を経験したので報告する.症例は71歳の女性で,12年前に乳癌に対して乳房部分切除を施行され,無再発であった.経過観察目的のCTで肝両葉に最大径10mmの腫瘤を5個指摘された.腫瘤は超音波で境界明瞭な低エコー領域として描出され,PET-CTでFDG集積亢進を認めず,それぞれ同様の形態であった.経皮的肝生検では凝固壊死を認めるのみであり,確定診断には至らなかった.転移性肝癌との鑑別のため,腹腔鏡下肝部分切除・生検を施行し,肝孤立性壊死性結節と診断した.肝内多発病変はいずれも同様の形態であり,肝多発性壊死性結節と診断した.術後4カ月経過観察し,病変の増大は認めていない.肝孤立性壊死性結節の多発例は非常にまれであり,文献的考察を加えて報告する.

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