日本臨床外科学会雑誌
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第82回総会会長講演
教室における肝外科のあゆみ
内山 和久
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2021 年 82 巻 5 号 p. 837-851

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抄録

各種エネルギーデバイスの開発と画像解析機器性能の向上により,安全確実な肝切除が出来るようになった.当科では年間100-120例ある肝切除のうち腹腔鏡手術がほぼ60%で,臍部切開のみの単孔式は外側区域切除に用いている.肝切除術後の肝再生については全く新しい観点から数理学的に解析し,その再生指数をロジスティック分析することで予後の推定が可能となった.一方,腹腔鏡では術中造影超音波検査では腫瘍の同定や切離ラインの決定が困難であるため,ICG投与によって可視化し,転移巣検索や肝区域描出などの系統的切除に利用してきた.さらに5-アミノレブリン酸(5-ALA)が腫瘍細胞内で固有蛍光を発することを利用して,この術直前投与により術中に高感度CCDカメラで微小肝腫瘍を同定している.5-ALAは胆汁排泄型であることから肝切離面の照射により,胆汁漏の判定にも大変有用であることが判明した.現在,ロボット手術の適応を模索中である.

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