日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
臨床経験
血管吻合のパラシュート法を応用した後壁連続縫合による膵管空腸吻合
佐藤 太祐松川 啓義塩崎 滋弘
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 82 巻 5 号 p. 852-858

詳細
抄録

目的:膵頭十二指腸切除(pancreaticoduodenectomy;以下,PD)後の膵液瘻(pancreatic fistula;以下,PF)は未だ克服されていない問題である.血管吻合で用いられるパラシュート法を応用した後壁連続縫合による膵管空腸吻合法のPD術後PFに対する予防効果を評価した.

方法:2015年から2019年にPDを施行した115例を対象とし,膵管空腸吻合を結節縫合で行った群(結節群 n=81)と後壁を連続縫合した群(連続群 n=34)のPF発生率を比較検討した.

結果:Grade B以上のPFは結節群が81例中18例(22%)に発生したのに対して連続群では34例中1例(3%)のみであり,発生率が有意に低かった.Grade B以上のPF発生に対する独立した危険因子は,多変量解析で術前に存在する胆管炎と膵管空腸吻合法(結節縫合)と判明した.

結語:今回の新しい膵管空腸吻合は結節縫合と比較して術後Grade B以上のPF発生率が有意に低かった.

著者関連情報
© 2021 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top