2021 年 82 巻 5 号 p. 852-858
目的:膵頭十二指腸切除(pancreaticoduodenectomy;以下,PD)後の膵液瘻(pancreatic fistula;以下,PF)は未だ克服されていない問題である.血管吻合で用いられるパラシュート法を応用した後壁連続縫合による膵管空腸吻合法のPD術後PFに対する予防効果を評価した.
方法:2015年から2019年にPDを施行した115例を対象とし,膵管空腸吻合を結節縫合で行った群(結節群 n=81)と後壁を連続縫合した群(連続群 n=34)のPF発生率を比較検討した.
結果:Grade B以上のPFは結節群が81例中18例(22%)に発生したのに対して連続群では34例中1例(3%)のみであり,発生率が有意に低かった.Grade B以上のPF発生に対する独立した危険因子は,多変量解析で術前に存在する胆管炎と膵管空腸吻合法(結節縫合)と判明した.
結語:今回の新しい膵管空腸吻合は結節縫合と比較して術後Grade B以上のPF発生率が有意に低かった.