2021 年 82 巻 5 号 p. 879-884
症例は72歳の男性で,血管浸潤を有する切除不能十二指腸癌の通過障害緩和目的に,腹腔鏡下胃空腸バイパス術を施行した.術後3日目に頻回に嘔吐し,4日目に39.7℃の高熱を認めた.6日目に施行した腹部CTで胃壁内嚢胞様気腫と門脈ガスおよび腹腔内遊離ガスを認めた.バイタルサインや理学所見から腸管壊死や腹膜炎は否定的で,保存的加療が可能と判断し,絶食による腸管安静と抗菌薬による保存的加療を行った.術後7日目に濃厚流動食を,9日目に固形食を開始した.状態は徐々に改善を認め,術後23日目に化学療法を導入した.胃空腸バイパス術後の胃壁内嚢胞様気腫症に門脈ガス,腹腔内遊離ガスを合併した報告は過去に認めず,文献的考察を加え報告する.