2022 年 83 巻 1 号 p. 68-72
症例は56歳,男性.切除不能食道胃接合部癌cT4N1M0に対して,S-1+cisplatin療法,SOX療法,ramucirumab+paclitaxel療法を施行したが,病勢進行し nivolumab(240mg)に変更となった.2コース目投与後2日目より悪寒戦慄を伴う発熱が出現し,5日目に救急搬送された.四肢や口唇に数分間持続する痙攣がみられた.画像検査では新規の異常所見は認められず,抗菌薬治療開始後も解熱しなかった.髄液検査では,蛋白138mg/dL,細胞数16/μLと上昇を認め,単純ヘルペスウイルスPCR陰性,サイトメガロウイルスIgM陰性であった.ステロイド投与により著明な症状改善を認め,自己免疫性脳炎と診断した.免疫チェックポイント阻害薬による中枢神経障害は稀であるが,致命的となる場合もあるため,脳炎を疑った時点でステロイドを主とした治療を早期から考慮すべきである.