日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸腔鏡補助下全横隔膜PGAシート被覆が有効であった難治性肝性胸水の1例
中根 茂村田 賢鈴木 玲広田 将司
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2022 年 83 巻 7 号 p. 1239-1243

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抄録

症例は74歳,男性.肝硬変,肝細胞癌,脊髄損傷,結腸癌,左上葉肺癌の既往がある.呼吸困難にて救急外来を受診し,右大量胸水にて入院し胸腔ドレナージを施行.数回の胸膜癒着術は効果なく手術となった.腹腔鏡を併用し小開胸創から胸腔鏡補助下に手術を進めた.12cmH2Oで気腹したが横隔膜を介した気漏は確認できず.腹腔から確認すると腱中心に欠損を認め,縫縮するも横隔膜は脆弱で針穴から裂けた.縫合閉鎖は断念し,横隔膜全面をポリグリコール酸(以下PGA)シートで被覆しフィブリン糊で固定した.術後9日目に胸腔ドレーンを抜去した.以後,胸水の再貯留は認めなかった.本例では横隔膜は菲薄化しており縫合は困難であったが,PGAシートによる全横隔膜被覆によって肝性胸水がコントロールできた.

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