2023 年 84 巻 4 号 p. 550-553
症例は83歳,男性.2019年10月に心窩部,右季肋部痛を伴う巨大肝嚢胞に対する腹腔鏡下肝嚢胞開窓術を施行した.術後経過は特に合併症なく,第8病日に退院した.
術後3年が経過した2022年11月に左側腹部痛を主訴に受診した.Computed tomography(以下CT)から右横隔膜ヘルニアおよび小腸の造影効果低下がみられた.遅発性横隔膜ヘルニア嵌頓と診断し,同日緊急手術とした.腹腔鏡下に腹腔内を観察した.肝嚢胞切除部の外側に嚢胞状に菲薄化した横隔膜を認め,その背側から小腸が嵌頓していた.腹腔内からの腸管の還納は困難であった.胸腔鏡により胸腔内を観察したところ,腸間膜を伴い小腸が脱出しており,ヘルニア嚢はみられなかった.開胸した後ヘルニア門を切開して開大し,小腸を腹腔内へ還納した.ヘルニア門を2-0非吸収糸にて結節縫合閉鎖した.
術後経過は良好で,特に合併症なく術後12日目に退院した.