日本臨床外科学会雑誌
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症例
転移性肝癌が疑われた多発肝reactive lymphoid hyperplasiaの1例
山田 真規井上 一真寺脇 平真佐倉 悠介伊東 大輔安近 健太郎
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2023 年 84 巻 4 号 p. 633-640

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抄録

症例は60歳,女性.嘔吐を主訴に当院ERを受診し,腹部CTで下行結腸癌による大腸閉塞を疑う所見を認め,肝臓には複数の低吸収結節があり囊胞が疑われた.大腸閉塞に対し大腸ステントを留置された40日後に腹腔鏡下結腸左半切除術を施行した.術中, 肝S5およびS8表面に2箇所,転移性肝腫瘍を疑う5mm大の白色結節を認めた.EOB-MRIで同部位2箇所のみに転移性肝腫瘍を疑う所見を認め,初回手術から約2カ月後に腹腔鏡下肝部分切除術を施行した.病理組織検査の結果,肝reactive lymphoid hyperplasia(RLH)の診断であった.

RLHは良性腫瘍でこれまで肺や眼窩,皮膚などで多くの報告があるが,肝臓では稀で,特に多発例は非常に稀である.基本的に治療を要することは少ないが,術前診断の難しさ,悪性肝腫瘍との鑑別の難しさから経過観察の対象とはなりづらい.大腸癌の転移性肝腫瘍を疑われた多発肝reactive lymphoid hyperplasiaの1例を経験したので,文献的考察を交えて報告する.

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