2023 年 30 巻 4 号 p. 150-154
本研究では,アンニンコウから芳香族化合物を単離し,新たな機能性を探索することを目的とした.HPLC分析によりアンニンコウ水抽出物に特徴的なピークが検出されたため,精製・単離し,NMRなどを用いて構造決定したところ,血小板凝集阻害効果のあるアデノシンと同定された.17種のキノコ粉末水抽出からアデノシン含量を測定した結果,ヒラタケが最も高い含量を示した.アデノシン以外のヌクレオシド(シチジン,ウリジン,グアノシン,チミジン)についても同定・定量した結果,それぞれの含量はきのこの種類,部位などで異なることが明らかとなった.