日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃穿孔をきたした特発性胃軸捻の1例
星野 夏希田中 優作山本 淳薮野 太一望月 康久
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キーワード: 特発性, 胃軸捻, 胃穿孔
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2023 年 84 巻 5 号 p. 733-737

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抄録

症例は72歳,男性.5年前に胃軸捻の入院歴があり,保存的加療で軽快していた.今回,嘔吐と上腹部痛で前医に救急搬送され,胃軸捻と診断された.胃管留置による減圧で症状改善なく,2時間後の腹部骨盤造影CTの再検では上腹部にfree airが出現し,軸捻は解除されていた.胃軸捻に続発した胃穿孔の診断で,当院へ転院搬送された.腹部は板状硬で,上腹部に圧痛を認めた.緊急手術所見では,腹腔内に混濁した血性腹水を認め,胃体中部後壁に径10mmの穿孔を認めた.胃穹窿部の固定は不良で胃脾間膜が伸長し,胃穹窿部が尾側へ移動することで容易に胃前庭部が穹窿部の頭側へ軸捻した.軸捻による屈曲部に一致した穿孔部位を縫合閉鎖し,再発予防目的に胃穹窿部を左横隔膜に縫合固定した.術後経過は良好で,第10病日に軽快退院した.胃穿孔をきたした成人の特発性胃軸捻は稀で,若干の文献的考察を加えて報告する.

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