日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
内視鏡治療困難で腹腔鏡下胃切除術を要した胃前庭部毛細血管拡張症の1例
木村 美咲貝羽 義浩川嶋 和樹鈴木 翔輝吉田 茉実皆瀨 翼
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 84 巻 5 号 p. 726-732

詳細
抄録

症例は73歳,女性.2017年2月の冠動脈バイパス術・大動脈弁置換術後,抗血栓薬を内服していた.同年10月に貧血がみられ,内視鏡で胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia:GAVE)からの出血を認めた.アルゴンプラズマ凝固法(argon plasma coagulation:APC)で止血したが,2020年までに出血を繰り返しAPCを20回施行した.同年6月に冠動脈バイパス血流低下により,経皮的冠動脈インターベンションと抗血小板薬2剤併用を要した.腎機能低下のため透析導入も検討されており,GAVEからの再出血リスク増大のため手術適応とした.同年8月に腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行し,術後経過は良好で術後11日目に退院した.退院後は出血なく経過している.腹腔鏡下幽門側胃切除術は安全に施行可能となってきており,GAVEに対して早期の手術治療を検討すべきと考えられた.

著者関連情報
© 2023 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top