術前診断した虫垂捻転の1例を経験したので報告する.症例は55歳,男性.心窩部の違和感を主訴に当院救急外来を受診した.来院時,腹部に圧痛は認めなかった.血液検査で炎症反応の上昇は認めなかったが,腹部造影CTで虫垂根部に著明な口径変化を伴う嚢胞性病変を認めたため,虫垂捻転と診断し緊急手術を行った.開腹すると根部で180度捻転し黒色調となった虫垂を認め,捻転解除後に虫垂切除術を施行した.術後経過は良好であった.
虫垂捻転は稀な疾患であり術前診断も困難であるが,早期から穿孔をきたしうる疾患であり,虫垂炎の除外診断として常に念頭に置き,捻転を示唆する特徴的な所見を見逃さないことが必要である.