日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
臨床経験
直腸切除後人工肛門早期閉鎖の10例
稲本 道置塩 達也多代 尚広吉澤 淳清地 秀典河本 泉
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 84 巻 9 号 p. 1369-1373

詳細
抄録

低位直腸切除における一時的stomaの閉鎖時期は,一般的に3カ月後以降とされている.しかし,stoma関連合併症が問題となり,主に海外において早期閉鎖に関する報告が散見される.当科で経験した直腸切除後のstoma早期閉鎖10例につき検討した.年齢は62歳(中央値)で,男性4例・女性6例であった.疾患は,腺癌が8例,NETが2例であり,肛門縁から腫瘍下端の距離は70mm(中央値)であった.閉鎖術前に注腸造影を行い,直腸吻合部に問題のないことを確認した.肛門縁から吻合部の距離は35mm(中央値)であり,切除術から閉鎖術までの期間は12.5日(中央値)であった.直腸吻合部に関わる合併症は認めず,同一入院で切除・閉鎖を施行した8例での切除後在院日数は21日(中央値)であった.Stoma早期閉鎖は,縫合不全発症時の重症化を防ぐstoma造設の利点があり,かつstoma関連合併症を極力回避しうる手法であると考えられる.

著者関連情報
© 2023 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top