日本臨床外科学会雑誌
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症例
単孔式胸腔鏡手術を行った気管支背側にV2が走行する肺癌の1例
安川 元章
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2024 年 85 巻 12 号 p. 1671-1675

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抄録

症例は73歳,男性.検診異常で当院に紹介となり,CT上,右肺上葉に径1.8cmの結節影を認めた.術前の造影CTで,右主気管支背側を走行し右上肺静脈根部に流入する右後上区域静脈(V2)を認めた.原発性肺癌の診断で入院,単孔式胸腔鏡下右肺上葉切除を施行した.まず背側V2を処理し,その後,前方から血管および気管支を処理した.背側V2は単孔式の視野で十分確認でき,また安全に処理できた.術後経過は良好で術後8日目に退院となった.今回,背側V2を術前に確認しており,単孔式アプローチで背側の視野確保や処理が困難であれば,追加ポートを設けて対応する計画をたてていた.結果として単孔式アプローチのみで胸腔鏡手術を完遂できた.肺動静脈の走行異常は多数のパターンがあり,術前に走行異常を把握しておくことは安全に手術を遂行する上で重要である.今回,われわれは気管支背側をV2が走行する肺癌症例を経験したので報告する.

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