2024 年 85 巻 2 号 p. 266-271
症例は75歳,男性.73歳時に当院にて直腸癌に対してロボット支援下低位前方切除術を施行,病理診断はpT4aN0M0 pStage IIb,術後補助化学療法を行った.術後9カ月に左外鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術,術後22カ月に転移性肝腫瘍に対して腹腔鏡下肝S4部分切除術を施行した.術後27カ月経過時にCTで左鼠径部腫瘤を認め,PET/CTでも同部に集積を認めたため,直腸癌精索転移が疑われた.診断的治療目的で左高位精巣摘除術を施行し,病理組織学的所見から直腸癌精索転移と診断した.消化器癌の精索転移は稀であり,中でも大腸癌の精索転移は非常に稀であるため,文献的考察を加えて報告する.