日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵頭十二指腸切除と3回の肝切除により初発後14年生存中の膵芽腫の1例
金子 順一真木 治文市田 晃彦河口 義邦赤松 延久阿部 浩幸長谷川 潔
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2024 年 85 巻 5 号 p. 666-670

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抄録

膵芽腫は小児期に発生する膵臓原発の悪性腫瘍で,小児固形腫瘍全体の0.2%と極めて稀である.初回再発例の47%は切除と化学療法で平均3年間の無再発生存が報告されるが,再発切除不能例の長期生存は困難である.膵頭十二指腸切除と3回の肝切除により長期生存中の1例を経験したため報告する.23歳,女性.12歳時に腹部腫瘤を指摘され,膵頭部の腫瘤に対し幽門輪温存膵頭十二指腸切除術,門脈合併切除再建を施行された.病理組織より膵芽腫と診断され,術後補助化学療法を施行された.3年後,肝転移と播種性再発に対して肝S7部分切除および播種切除を施行され,術後化学療法を行った.その1年後にCTで多発肝転移再発し肝部分切除を施行した.さらに6年後,MRIで肝転移再発が指摘され3回目の肝切除を施行した.3回を超える切除による長期生存例の報告はない.初回診断より14年,最終手術から3年の現在,無再発で経過しており慎重に経過観察を行っている.

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