症例は81歳,女性.臍炎加療目的で当科に紹介となった.来院時,臍部に明らかな色素斑を認めず,皮下に母指頭大の腫瘤を触知した.臍部皮下腫瘤に対し診断目的に腫瘤摘出術を施行した.病理診断の結果,H.E.染色像において表皮基底層に異型メラノサイトの胞巣状増殖を,真皮内に褐色色素を有する異型細胞の増殖を認め,免疫染色にてHMB-45陽性,S-100陽性,Melan-A陽性であり,悪性黒色腫の診断を得た.術後2カ月後に再度同部に腫瘤が出現したため,全身精査目的でPET-CTを行ったところPET-CTで臍部,左鼠径部,両肺および縦隔リンパ節に異常集積を認め,局所再発および遠隔転移と診断された.皮膚科でニボルマブ6クールを投与したが,病勢の制御困難なため緩和治療の方針となり,術後17カ月目に現病死した.今回,われわれは臍部皮下腫瘤を契機に発見された稀な臍原発悪性黒色腫の1例を経験した.