2025 年 86 巻 6 号 p. 764-768
症例は82歳,男性.上行結腸巨大憩室由来の糞石脱落によるS状結腸閉塞と腹痛のため内視鏡砕石術を繰り返したが,内科的治療が困難なため手術目的で紹介となった.腹部CTで回盲部近傍に長径60mmのリング状石灰化病変と上行結腸内腔の交通を認めた.開腹胃切除後腹膜炎の既往があり,高度癒着が危惧されたが,腹腔鏡下回盲部切除術が可能であった.術後9日目に合併症無く退院し,社会復帰している.病理組織学的検査で憩室壁の筋層欠損より仮性憩室と診断した.巨大憩室症の定義は概ね径40mm以上とされ,本邦で約20例の手術報告があり文献的考察を加えて報告する.