抄録
滋賀県種鶏場で慣行的に実施しているケージ鶏舎の消毒効果を付着菌数を指標として評価し(実験1),次に,その結果に基づき若干の変更を行なって消毒を実施し効果を調べた(実験2)。
採卵鶏450羽を48週間飼育した開放式ケージ鶏舎を対象とし,鶏を淘汰した日に除糞と清掃を,その翌日水洗を行った。水洗の翌日オルソ剤の100倍液を散布消毒し,その14日後に逆性石〓の1,000倍液を散布し再消毒した。実験1では,スチーム•クリーナーから14l/m2の水を噴射し水流で洗った。実験2では17l/m2に水量を増し,床面,ケージ台及び床面からの高さ1.5m以下の壁面をデッキ•ブラシ又はたわしにより擦り洗った。オルソ剤と逆性石〓のそれぞれの散布量は実験1では0.4l/m2,実験2では0.6l/m2とした。
清掃後の鶏舎の付着菌数は床面が最も多く,次いで梁木上面,ケージ台の順で,屋根裏の菌数が最も少なかった。水洗により有意に菌数が減少したのは床面と梁木上面及び実験2のケージ台で,他の位置では有意な減少は認められなかった。実験2では実験1より水量を3l/m2多くしたが,その効果は明瞭でなかった。
オルソ剤の散布により,実験2のケージ台では菌数の減少が有意であったが,その他の位置及び実験1の各位置では有意な減少が認められなかった。逆性石〓散布による再消毒の前後の菌数を比べても有意な減少は認められなかった。消毒液の散布量も実験2では実験1よりも0.2l/m2多くしたが,その効果は明瞭でなかった。
本実験は農林水産技術会議農業開発総合助成試験事業による「鶏の慢性疾病対策としての消毒法の再評価試験」の一環として,滋賀県種鶏場の経費により実施したものである。