2026 年 87 巻 3 号 p. 358-365
症例は64歳,男性.CTにて胆囊頸部に15mm大の隆起性病変を指摘され,当科へ紹介となった.10mm超の病変であり胆囊腺腫や早期胆囊癌を鑑別とし,切除生検目的に腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.胆囊病理所見はリンパ管侵襲陽性の神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor;NET)G2であった.リンパ管侵襲を伴うNET G2であることから追加切除の適応と判断し,続いて拡大胆摘(S4a+5亜区域切除)および肝十二指腸間膜リンパ節を含めた領域リンパ節郭清を施行した.病理組織学検査でNo.8リンパ節に腺癌の転移を認めた.原発巣検索として上下部内視鏡検査を追加施行したが他臓器に腺癌の原発腫瘍を認めず,臨床的に胆囊NETの形質転換したリンパ節転移と判断した.術後補助化学療法として半年間S1内服を完遂し,術後36カ月現在無再発生存中である.腫瘍径10mmを超え,リンパ管侵襲を伴うNET G2においてはリンパ節郭清を伴う原発巣切除が必要と考えられた.