全日本鍼灸学会雑誌
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会頭講演
持続的なエビデンスをつむぐ
-排尿障害に対する鍼灸治療-
北小路 博司
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2024 年 74 巻 3 号 p. 141-146

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抄録

日本の高齢化率は、 2023年度で29%と高く、 その後も漸次増加の一途を辿ると考えられている。 高齢者のQOLを阻害する因子として、 3Msといわれる 「Mobilityの障害:転倒・移動不能」、 「Mentalityの障害:認知症・痴呆」 および 「Micturitionの障害:頻尿・尿失禁」 が問題とされている。 特に、 「Micturitionの障害」 に関しては、 西洋医学における薬物療法を受けるも多くの訴えが寄せられている。  排尿障害に対する鍼灸治療の有用性については、 病態モデルを用いた基礎研究結果を報告する。 鍼刺激の臨床的効果については頻尿・尿意切迫感を主訴とした症候群である過活動膀胱を中心に報告する。 基礎研究から、 仙骨部の鍼刺激は 「排尿に至らない膀胱収縮 (Non-voiding contractions;NVCs)」 を抑制することを示した。 また、 過活動膀胱患者への中穴・中極穴の鍼刺激によって尿意切迫・頻尿・夜間頻尿の症状を軽減する事がわかった。 中穴の鍼刺激は、 膀胱コンプライアンスの改善により、 膀胱の緊張を緩和することが示唆された。

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