1981 年 31 巻 2 号 p. 146-150
針鎮痛と内因性鎮痛物質との関係を調べる目的で, 産婦人科的下腹部疾患を有する12人の患者の麻酔をテトラカインによる持続腰髄麻酔で行った。8例において術中両手の合谷に針を刺し,「得気」で長時間 (50~120分) 通電し, 残り4例では針を使用せず, 手術前・後おのおのにおいて腰部より脳脊髄液 (CSF) 5mlを採取し, 含有される Endorphins, Substance P を Radio-immunoassay (RIA) で測定比較した。その結果, 針通電により腰部CSF中 Endorphins 含量は有意に上昇し, Substance P は減少する傾向にあることが明らかとなった。