全日本鍼灸学会雑誌
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鼠径部鍼刺激の大腿骨骨髄圧に及ぼす影響
松本 勅日下 義章
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1983 年 33 巻 2 号 p. 147-153

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抄録

大腿骨骨髄圧を計測して, 鍼刺激と痛刺激 (鉗子によるpinching) の影響を比較検討した。鼠径部の痛刺激では, 同側と反対側の刺激も共に1分以内に回復する骨髄圧のわずかな変化を示した。大腿外側あるいは後側の痛刺激でも小さな変化を示すのみであった。一方, 鼠径部の深部への鍼刺入は著明な低下を起こした。低下の数分後上昇に転じたが,上昇開始後の変化は, コントロール値に復するもの, 上昇が少なくコントロール値まで復さないもの, コントロール値より7~9mmHg高い圧まで上昇して数分間高圧を維持した後, 下降してコントロール値近くに復するものの3タイプに分けられた。骨髄圧の著明な変化と鍼の到達組織の関係を明らかにするため, 皮膚を切開して大腿神経・動脈, 大腿骨栄養動脈を刺激した結果, 栄養動脈への刺鍼と pinching 刺激によって著明な低下が得られ, 再現性も認められた。反対側栄養動脈刺激による変化はわずかであった。

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