全日本鍼灸学会雑誌
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鍼灸効果の実証と鍼灸師の教育
21世紀に向って望まれる鍼灸医療
木下 晴都
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1986 年 36 巻 4 号 p. 243-249

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抄録
鍼灸医学は中国からわが国に渡来し, 1400年のあいだ鍼医によって伝承され, 最近100年間をかえりみても, はり師きゅう師, 以下鍼灸師と呼ぶが, これらの人びとによって, その技術は発展向上され, わが国の大衆に親しまれて, 保健衛生に役立ってきた。
そこで, 21世紀を迎えるにあたり, 鍼灸の周辺にまつわる諸問題に関し, 早急に解決しなければならない点をあげると, a) 臨床効果の実証, b) 適応疾患の判別, c) 鍼灸師の教育改革, d) 鍼灸師の医療保険に対する立場, などは関心の高い事柄である。
このうち臨床効果を実証することは, 該技術の存続性に意義を示すものであり, また適応疾患の判別は, 鍼灸師が治療対象を誤らないために重要な事項である。これは学会の主要テーマとして解決を急がねばならない。鍼灸師の教育改革は, 学識の高い治療家を養成することで, 患者の要請にこたえられる, 適格な技術者を世に送り出すことである。これは鍼灸業団が中心となり, 学会はこれに協力して改善策を早急に確立しなければならない。また鍼灸師の医療保険に対する改訂は, 国民が容易に鍼灸治療を, 受けられる方策を樹立することで, 鍼灸師会が主体性をもって, 検討しなければならない課題であり, 学会が主役を演じるのは不適である。ゆえに, あえて本シンポジウムのテーマからは除外する。
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