全日本鍼灸学会雑誌
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針鎮痛をもたらす末梢入力としての Substance P 含有神経線維の役割
河村 廣定二ノ宮 裕三山口 良三船越 正也
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キーワード: 針通電
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1995 年 45 巻 4 号 p. 232-237

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抄録

針鎮痛効果をもたらす末梢求心神経路に substance P (SP) 含有求心神経線維が関与するか否かを明らかにする目的で, ラット右前肢上腕部の神経幹に, capsaicin (cap) 1回処理と, 同部位皮下に cap 950mg/kg (連続処理) を注入する方法を用いて, 脊髄後角 substance P (SP) 量と針鎮痛効果の経日的変化を比較した。cap 1回処理の場合では, 非処理側群のSP量と針鎮痛効果は, 経日的 (5~15 days) に安定的に認められるのに対して, 処理側群のSP量は減少し針鎮痛効果も消失した。連続処理では, 非処理側群のSP量と針鎮痛効果は経日的に減少し, 両者の間には明らかな相関が認められた。以上の結果から針鎮痛をもたらす末梢求心路にSP含有神経線維が関与することが示唆された。

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