保険財政がひっ迫する医療分野は,診療の生産性向上がより一層期待されており,費用対効果を考慮した診療選択等も望まれている.麻酔・手術の生産性を論じる場合,技術の生産性と組織のそれを分けて整理を行うことが肝要である.麻酔・手術の医療経済学は,「診療行為の生産性(パフォーマンス:手技等の技術特性別の費用対効果)×組織経営の効率性(ボリューム:症例数や稼働率等の市場要因)=経済影響(インパクト)」で論じるのが適切となる.前者は,概ね診療報酬制度に資する議論であり,後者は比較的,病院経営の戦略に関わる内容といえる.今後の医療制度改革等では,両者のバランスをより一層論じることが望まれる.