2019 年 39 巻 3 号 p. 345-349
私立総合大学医学部である当施設は,学校法人収入で付属病院収入が学生納付金や補助金を上回っている.内訳では手術・集中治療の収益が高く,効率的手術室運営が大学経営に大きく寄与している.大学は元来収益性とは無縁だが,本学は付属病院の事業性を無視できず,経営が医療収入に依存した構造となっている.一方,手術・集中治療領域の収益は病院収入の多くを占め,多施設で手術室を有効利用し件数を増加させる工夫がされているが,近年,ロボット手術などの低侵襲手術やハイブリッド手術室などの高機能手術室が求められ,手術室運営の効率化ならびに手術患者の安全管理に,部屋・機器・人の限定や患者の高齢化・ハイリスク化といった新たな課題を投げかけている.