2020 年 40 巻 5 号 p. 504-509
術後早期リハビリテーション治療は,全身状態が安定し離床が許可される症例ではバイタルサインの変動や転倒に留意しながら積極的な離床が行われる.一方,人工呼吸管理が必要な場合はベッド上臥床による身体運動機能低下を起こさないように可能な範囲での離床が行われる.術後離床は手術侵襲に加えて術前の運動機能や生活状況が影響することから,可能な限り術前評価が必要である.術後離床の制限要因については術前よりリハビリテーション治療を行うことが必要であり,治療にあたって多職種で治療目標や治療方針を明確化し,生活を重視した早期離床・早期退院ができるように多職種チーム医療を進めていくことが重要である.