2025 年 45 巻 2 号 p. 95-100
ダブルルーメンチューブ(DLT)による気管挿管を中止したにもかかわらず,声門下狭窄をきたした症例を経験した.症例は76歳,女性,148cm,48kg.胸腔鏡下右下葉切除術が施行された.左用DLT(32Fr)を挿管する際,声門下で抵抗があったため,気管支ブロッカーに変更した.手術終了後,呼吸状態に異常を認めなかったが,術翌日より上気道狭窄の症状が出現した.その後,術後4日目に声門下気管狭窄と診断,気管切開術が施行された.術中は適切なカフ圧で管理を行ったことから,挿管時のDLTによる粘膜損傷が声門下狭窄の原因と考えた.気管挿管の際に抵抗がある場合は,サイズやデバイスを変更することが重要である.