2025 年 45 巻 4 号 p. 347-354
医療に大きな影響を与える複雑で変化し続ける現代社会(リアルワールド)を知るために,私たちは高齢化する大規模団地でコミュニティ参加型研究を行っている.ACPに関して以下の発見があった.1)高齢住民は,徐々に弱っていく経過ではなく,観念的な死の瞬間のありかたを語りたがる.医療から見ると非現実的な語りだが,住民同士の話し合いは潜在的な孤独を解消する.2)一般的なACP推進(医療者から住民)とは逆方向の,住民が作ったACPの医療へのアプローチもまた壁にぶつかる.3)死を語るためのデスカフェでも言語化することが難しい.このように病院と地域のACPの差異は大きく,まずは差異を自覚するところが対話の出発点だ.