2016 年 55 巻 5 号 p. 315-321
目的 : 造血器腫瘍における胸水細胞診の有用性と臨床的意義を明らかにする.
方法 : 2005~2014 年に当院で胸水穿刺した造血器腫瘍 32 例 (悪性リンパ腫 18 例, 白血病 10 例, 多発性骨髄腫 4 例) を対象とした. 細胞診とセルブロック診断の感度, 特異度, 陽性的中率, 陰性的中率を検討した.
成績 : 細胞診陽性群 13 例, 偽陰性群 9 例, 陰性群 10 例のうちセルブロックが得られたのはおのおの 5 例, 6 例, 4 例であった. 陽性群では豊富な細胞量, 単調性, 細胞形態により全例で適切な組織型推定がなされた. セルブロックの検討で新たに 3 例の造血器腫瘍が確認された. 免疫組織化学を併用したセルブロック診断の感度, 特異度, 陽性的中率, 陰性的中率は 72.7%, 100%, 100%, 50%であった. 一方, 非腫瘍性胸水のほとんどは治療後の合併症に関連して発生し生命予後は不良であった.
結論 : 胸水細胞診とセルブロックの併用は造血器腫瘍の診断においても有用性が高い. 適切な治療選択のため積極的に胸水穿刺すべきである.