日本臨床細胞学会雑誌
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原著
深層学習 (deep learning) を用いた人工知能構築に要する子宮頸部細胞取得倍率についての検討
森 正樹木戸 尚治津森 太亮平野 靖稲井 邦博樋口 翔平今村 好章
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2020 年 59 巻 4 号 p. 174-180

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抄録

目的 : 婦人科頸部細胞診検体を対象に, deep learning による人工知能 (artificial intelligence : AI) 構築に必要となる, デジタル画像取得時の条件について検討を行った.

方法 : 学習・検証用画像には 20 倍, 40 倍の倍率で撮影した 451 枚 (20 倍 : 187 枚, 40 倍 : 264 枚) の細胞診画像に含まれる 996 個の細胞画像を用いた. ベセスダシステムに基づき分類した NILM, ASC-US, LSIL, ASC-H, HSIL, SCC の各細胞にラベル付け (アノテーション) を行った. また NILM は NILM 群, ASC-US・LSIL は low-risk 群, ASC-H・HSIL・SCC は high-risk 群と 3 群のカテゴリに再分類した. AI は物体検出モデル Faster R-CNN で構築し, 画像を入れ替えて検出と分類を 5 回行い, 平均適合率と平均再現率を求めた.

成績 : いずれの群においても 40 倍画像を用いた AI が, 平均適合率, 平均再現率ともに, 良好な結果を示した.

結論 : 細胞診においても AI 活用の可能性が示唆される一方, 微細な細胞構築の認識が重要な細胞診における AI 構築には, 高倍率で取得した高精細画像の活用が不可欠と考えられた.

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© 2020 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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