2021 年 60 巻 2 号 p. 110-116
背景 : 乳腺化生癌はまれな乳腺悪性腫瘍である. ここで提示する症例は多彩な像を示した乳腺化生癌の穿刺吸引細胞診の 1 例である.
症例 : 70 歳代, 女性. 人間ドックにて左乳房 C 領域に腫瘤を指摘された. 穿刺吸引細胞診では, 採取細胞量は豊富であり, 上皮性結合を示す異型多角形細胞と異型紡錘形細胞を認め, 両者間には移行像がみられた. また, 硝子様物質に取り囲まれた異型細胞集団もみられた. 免疫細胞化学的所見も考慮し化生癌を推定した. 病理組織学的には, 腫瘍は扁平上皮癌を主体とし, 一部に紡錘細胞癌の成分を伴う混合型化生癌であった.
結論 : 本腫瘍の診断には, 免疫細胞化学的検査の併用が有用であると考える.